【安全は全てに優先する】建築現場における安全管理の基本対策
”安全は全てに優先する”
現場に携わる方であれば1度は必ず耳にしているはずです。KY活動を行い、安全設備を点検し、作業手順を遵守する。
そういった安全活動・安全活動管理をする上で何がポイントになるでしょう?作業工程の事前打ち合わせ?適正な作業環境?もちろんそれらも重要です。
ですが、安全を語る上ではそれだけでは不十分です。では何をするか?キーワードは
”品質管理” ”予算管理”
です。安全対策を考える上でまず何を検討するべきか?ここではさらに作業い至る前の段階の話を紹介します。
- 施工管理として現場で働いている。
- これから現場に配属される。
- 安全について学び直したい。
- これから現場代理人になる。
安全な現場の状態とは?
安全な状態・・・それはどういったことを思い浮かべますか?
- 安全設備の適正な配置
- 保護具の適正使用、着用
- 他職との調整
- 現地KYの実施
色々出てきますね。もちろんこれらは大事な要素です。これらを行うのは立派な安全管理ですね。
しかしこれらを行うことで絶対事故を防止できるのでしょうか?次の具体例で考えてみます。
例:「脚立からの落下事故防止」
「脚立からの落下事故防止」というと何を思い浮かべますか?
- 水平設置
- 天端作業禁止
- 適正な規格のものを使用
こういったところでしょうか?しかし、これで100%事故が防止できる!と自信を持って言えますか?この世に絶対はないのですから100%は無理と思うかもしれませんが、実は1つだけあります。それは
脚立作業を行わないこと
そもそも脚立を使わないのだから脚立での事故は100%起こりません。
それでは作業にならないのでは?と思いますよね?少し補足します。
脚立作業を行わないとした場合以下の2つを考えることになります。
- 脚立作業となる天井配管をそもそも無くせないか?(原因の除去)
- 脚立の代わりに可搬式作業台を使用する。(代替案)
ここでポイントは
- そもそも、その作業は必ずやらなくてはいけないのか?
- 作業するにあたってより安全な工具、安全な設備を選択できないか?
ということです。適正な使用というものはその次の段階になります。
検討段階から安全管理は始まっている
例のようなことは作業の直前になってからだと対応は大変です。代替案がより手間のかかる作業になってしまう場合、協力会社も予算と人員が限られてくる中で快く作業してくれるとも限りません。
施工図の作成、施工要領書の作成段階でどうやったらより安全に作業を進められるかを考えておく必要があります。そうした事前検討段階を通じて
- 作業の全体量を落とすことで事故の発生率が下がる。
- 削減した予算を安全設備に回すことができる。
- 協力会社と契約前に説明ができ、代替案を提案してもらえる可能性もある
当然その作業を行うに至った場合、現地KYや必要に応じて安全教育を行う事は重要です。しかしベースには如何に作業負荷そのものを減らすかという考えがあり、対策はその後の話なのです。
安全は全てに優先する
安全は全てに優先する
重い言葉ですが、現場では事が起こってから対応に追われるケースがまだ多くあります。で、その時になってようやく工程を調整するのはよくある話です。
理念は分かっているけど、現実が追い付かない。少ない予算や短い工期など原因は様々あります。施工管理は工程、品質、予算全てを考えなくてはいけません。
しかしこう考えることはできないでしょうか?
安全に作業できる=作業しやすい=手間がかからない=工程・品質・予算も改善
もう一度言います。
安全は全てに優先する
この言葉は当然人命の尊さを謳ったものですが、安全に配慮することで複合的に他の要素も改善します。つまり
安全な現場は品質も利益も高くなる
こういったことに繋がるはずです。中には様々な現場を見てきたかたもいるでしょうが、綺麗で整然となっており安全もしっかり配慮できている現場は工程も品質も良い場合が多くありませんか?安全を事前に考えるということそういうことなのです。
いかがでしたか?安全管理の基本とはいかに手間を減らし、効率よく現場を回すか、ということに通じている事を理解していただいたでしょうか?是非日々の安全管理は先廻りして早めの検討を行いまようにしましょう。