【逆算思考】取得する資格は人生のイベントと織り合わせて計画しよう
ご自身のキャリアを考えた際に取得するべき資格が見えてきたのなら、取得する順番を考えてみましょう。
ただ実務を行いながらだとどうしても勉強時間の確保が難しいです。1年に何度も難関資格を受験している余裕のある人は稀かと思います。
だらだらと試験を何年も受け続けて気がついたら10年・・・なんていう人も中にはいます。しかし限りある時間で資格勉強に取り組んでいては時間が勿体ない。特に20代から30代では人生で大きなイベントが重なる時期でもあります。
「【必要/不要論】施工管理職が資格を取得すべき理由を考えよう」では資格は人生における節目において選択肢を広げる手段の1つという話をしました。資格取得=選択肢の増加とするならば、それが早まった方がその後の人生においてもご自身のペースで過ごしやすくなります。
ここでは資格試験を長期的な目線で取得していくための発想の仕方について紹介していきます。
- 資格勉強のモチベーションが維持できない
- 資格の重要性がイメージできない
- 資格取得を仕事としか結び付けていない
関連記事
逆算思考で目標を決めよう
「仕事は段取り8割」というのは誰もが聞いたことがある言葉だと思います。では段取りよく仕事をしている人とそうでない人とは何が違うのでしょう?
「何をするべきか分かった上で優先順位をつけて実行している」こんなイメージではないでしょうか?
ゴールにたどり着くために今から何をするべきか?こういった考え方を「逆算思考」と言います。
一方、今できる事を行う、目の前の課題を解決していく考え方を「積上思考」と言います。
双方メリット・デメリットはあるのですが、人生においても目標があるならば逆算思考を取り入れることをおすすめします。
「なりたい自分」→「クリアしなくてはいけない課題」→「今やるべきこと」を整理することができれば無駄な日々を過ごすことも少なくなるかもしれません。
資格試験を個別に取得していく過程でも採用できますが、そもそも自分にとって何の資格を取得したらよいのか?と考えるプロセスでこの逆算思考を取り入れてることをおすすめします。
人生において「クリアしなくてはいけない課題」を真剣に設定することができれば資格勉強で手を抜く、という選択肢は無くなるはずです。
10年後の自分を想像する
とはいえ長い人生、あまりイメージがつきにくいかもしれません。ここでは1つのヒントとして「10年後の在りたい姿を想像する」ことから初めてみるとよいと思います。
高卒・大卒関わらず新卒で入社して10年後というのはどういった環境でしょうか?こんなワードが浮かんできませんか?
「結婚」「出産」「独立」
人生には様々なイベントがあります。そのイベントは人それぞれですが「今の仕事よりも大事なものは山ほどある」のです。
そんな大事なイベントがあるタイミングで仕事にも大きい変化があったらどうでしょうか?
- 大事なプロジェクトを任された
- 病気や事故で今の仕事を辞めざるを得なくなった
- 会社が倒産した
どうでしょうか?できたとしても心身ともに相当な負担であるに違いません。そうならないためにも様々な対策を打てるような環境づくりというものが大事になってきます。
将来を見据えて準備をする
仕事もプライベートも大きな山場を迎えた時、どちらを優先するか?先ほども述べた通り「仕事より大切なものは山ほどある」のであれば仕事で起こりうる困難を回避したいですよね。
実際に先ほど述べたような困難は訪れないかもしれませんが、訪れるだろうと想定して準備をしておくことで「仕事よりも大切なもの」を守ることに繋がるでしょう。例えば
- 結婚に合わせて激務から離れる(異動・転職)
- 出産に合わせて育児休暇がきちんととれる会社に転職する
- 自分でスケジュールを管理できる立場となる
- 会社を興すにあたり、法律的要件を備える。実力をつける
こういったことを「自分で選択できるよう準備する。」というのは人生を好きなように過ごしていくためにはとても大事なことではないでしょうか?
仕事でも「段取り8割~」などと言われるのと同様に、長い目線を見てみると自分の人生も段取りが重要だと私は思っています。そのための1つとして資格の取得を勧めています。
しかし難関資格というものは一朝一夕で取れるものではありません。勉強を習慣づけないと身に付きません。細かい勉強方法は個々人にあったものがあると思いますが、共通で言えることは「自分のできるペースで勉強のスケジュールを決める」ということです。
そのためにそこで起こるであろうイベントから逆算して取る資格の順番を決めてスケジューリングする、ことをお勧めします。
- 仕事より大事なものはたくさんある
- いざという時のために資格を取って準備をしておく
- 資格を取っておくといざという時の選択肢が増える
- 長期計画で自分のペースで勉強スケジュールを考える
10年後から逆算して勉強スケジュールを決める。
例えば困難を回避する方法が「転職」だったとします。すると例えばこのような流れでスケジュールを立てることになるでしょうか。
- 求人を見てどんなスキル・資格が必要とされているか把握
- 現時点で不足しているスキル・資格の振り返り
- 磨くスキル・取得する資格の絞り込み
- いつまでに取得するかのスケジューリング
転職サイト等の求人を確認する
転職サイトを覗けば、あるいは登録してエージェントと面談すればどういったスキルを持った人材が必要とされているかが分かります。
ここでのポイントは応募要件にあるスキル・資格だけではありません。たとえば「なお良し」とか「優遇」とされている部分に着目してください。
施工管理という業種を経験しているのであれば「1級の施工管理技士」「1級建築士」、設備に携わっているならば「建築設備士」などを持っている人材を募集していることでしょう。
応募要件にひっかかる最低限のスキル・資格であれば皆横並びです。そして転職理由なんてものはだいたい皆同じです。企業も精査する中でより秀でていると思われる人間を採用しようとするのは当然です。
最低条件+αの部分というものが必須であると認識しましょう。
不足しているスキル・資格の振り返り
次に現時点で取るべき資格、キャリアがどの程度不足しているか振り返ってみます。ただし資格であればそれは明確ですが、スキルとか実務経験だと具体的にはイメージしにくいかと思います。
そういった場合は転職エージェントに掲載されている成功談や、過去同じ会社から良い転職をして羽ばたいていった先輩のエピソードなどを調べるとよいでしょう。どんな人材がどういう会社に行ったのか?イメージを掴みやすくなると思います。
磨くスキル・取得する資格の絞り込み
様々な選択肢が出てきた中で、ここが一番時間を要するかもしれません。いくら逆算して考えるとはいえ、未来の姿は1つではありません。あまりに特定のスキルや資格に特化してしまうと他の選択肢に切り替えにくくなってしまいます。
例えば不動産業界に転職したいから「マンションの施工を極める」+「宅地建物取引士を取得」としても、不動産業界以外には進みにくくなってしまいます。
逆算したつもりが、それによって未来への選択肢が狭まってしまうのは本末転倒です。転職先も2,3種類くらいを網羅できるような業務経験の積み方、資格の取得を目指してください。
施工管理職であればまず2,3種類の現場経験を。その後施工管理技士を取得した上で建築系なら建築士、設備・電気系なら建築設備士あたりを取得すると取れる選択肢がぐっと増えるでしょう。
逆算によるゴールを確かなものにするためにも丁寧な洗い出しを心掛けてください。
取得するまでのスケジューリング
さらっと難関資格を取る方がよいと述べましたが、そんな簡単にはいかないのでは?と普通は思うでしょう。
ですが、複数年かけて取得するとなればある程度自分のペースで勉強に取り組めるでしょう。1年目はお試し受験。対策を考えて2年目、3年目で取得するという方法もあります。
ポイントはゴール期日だけは絶対に後ろ倒ししないこと。(不慮の事態は仕方ありませんが)中間地点はある程度自由をきかせ、必要に応じて修正をしながら進めてみましょう。
例えば入社5年目に施工管理技士を取得した後、10年目までに1級建築士の取得を目指すとします。しかし1年で1回で合格するのは至難の業。
複数年のチャレンジを前提とすると、まずは施工管理技士の取得は1回で合格しておきたいところです。ここが後ろ倒しになればなるほど1級建築士の勉強が厳しくなってきます。すると5年目に一度自身にアクセルをかけた方がよいという判断ができます。
仕事だって同じです。期日を振り回されていては実力が発揮できません。勉強も自分のペースをいかに作り上げるか?を考えて無理のないスケジュールを組むようにしましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか?長期的な逆算思考を持つこと、転職を例にして資格試験を長期的な目線で取得するための発想の仕方、という視点で資格勉強のモチベーションを保つ方法を紹介しました。
もう一度ここで強調しますが、最終目的は「○○に転職すること」ではなくて「大事なものを守るため」です。好条件での転職は手段の1つですのでゴールのその先を見失わないよう気を付けてください。
目標が見つけられない、といった方はある程度ぼんやりとした未来で構いません。「子供が出来ているなら休日は毎週休めるような仕事をしていたい」とか「毎年どこかで長期休暇を取って旅行をしたい」などでも大丈夫です。
どんなことをしてでも会社にしがみつかないといけない状態になる前に、10年スパンくらいで訪れるであろう変化にどう対応していくか?ということを考えると良いかと思います。
若いうちは資格。歳を重ねれば実務経験やコネクションがものを言うようになります。今の自分にとって何が必要かが明確になれば、それが課題に対するモチベーションになっていくでしょう。
ご自身の大事なものを守っていけるような人生を歩めるよう、ぜひ日々の自己研鑽に取り組んでいきましょう。