【必要/不要論】施工管理職が資格を取得すべき理由を考えよう

資格試験自己啓発

資格勉強って大変で面倒くさい。ましてや忙しい施工管理をしていて時間もないし施工管理技士だけで十分。

そう思っている方は多くいると思います。それに施工管理という職業は現場をこなしてなんぼ!という気概もあるかもしれません。

しかしあえて言わせていただきます。資格は積極的に取得しましょう。それは人生100年時代に突入した現代において、取れる選択肢が大幅に増えるためです。

ここでは施工管理職にとって資格が必要か不要か?そのケースの比較、取得するべき理由、キャリアビジョンの関係性について紹介していきます。

こんな人におすすめ

  • この業界に入ったばっかりでまだ先のキャリアが見えない。
  • 資格の重要性がイメージできない。
  • 試験勉強はしたいけどモチベーションが続かない。

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「資格がある」と「仕事ができる」は別

まず頭に入れておいて欲しいのは資格の取得しても一定の待遇が約束されたり、安定して食べていけるわけではないということです。

資格を持っているのと仕事ができるのは別です。

特にこの建設業界は経験がものを言うとよく言われていますし、施工管理のようにマルチに仕事が出来る人材は社会全体から見たら稀少です。

じゃあ資格なんて不要では?となりそうですが、そうではありませんので必要な場合と不要な場合を考えて見ます。

資格が必要なケース

まず資格が必要なケースを3つ挙げてみます。

業務上必要である

法令により資格がないとその仕事に就くことはできないものもあります。施工管理職で言うと監理技術者・主任技術者になるために「施工管理技士」が必要といったところですね。

専門的な知識・技能を有していると公的機関から認められることで、初めて活躍の舞台に立つことができるのです。

知識の幅を広げる

実務を行っていると専門外のことも理解がないと行き詰ってしまう場合があります。こういった時はその分野のことを調べたり、勉強することで理解を深めて実務に活かします。

建築設備の施工管理の場合、管工事施工管理技士を持っていれば事足りますが、消防設備士・計装士などのさらなる専門分野についても学ぶ機会は多いと思います。

その際に知識の全体像としての把握、という意味では資格試験はとても効率が良いのです。

自己投資しているという客観的事実を証明する

本当のノウハウというものは実務経験を通して血肉となり活かされていくものです。本当の実力は資格試験だけでは測ることはできません。

しかしその実力はどうやって評価されるでしょうか?直属の上司であれば一定の理解をしてくれるでしょうが、実際に評価する機会はそれ以外の場合の方が多いはずです。例えば

「上司の上司」「別の部署の責任者」「転職先」

そしてこれらの人たちに評価される場面というのは

「昇進」「異動」「転職」

というのはお分かりになると思います。いくら直属の上司が評価してくれていても第三者から見た場合の方がよっぽどキャリアにとっては重要ではないでしょうか?

そういった時に「分かりやすい」指標として資格の有無がよく挙げられます。資格を持っている事で自分で勉強する癖のついている人=自走できる人という評価をすることもできます。

何をもって周囲との差をアピールできるか?考えてみると自ずと資格の必要性が見えてきます。

資格が必要なケース

  • 業務上必要である
  • 知識の向上・知見の取得をしたいとき
  • キャリアの分かれ目において第三者から評価を受けるとき

資格が不要であるケース

逆に資格が不要、あるいは業務上最低限のもので十分であるケースを挙げます。しかし極端な例が多いかと思います。多くの人は当てはまらないのではないでしょうか?

業務上不要な立場である

人を動かす立場の人、分かりやすい所で経営層の人間は必須ではありません。業務上必要であればその資格を持っている人間を雇用すればいいわけですから。

建設現場の場合は監理技術者・主任技術者は施工管理技士の資格が必要となりますが、現場代理人は必要ではありません。現場代理人になる過程で取得するという方がほとんどだと思いますが厳密には不要。

なお設備の施工管理においても実は無資格で高難易度な現場を納めている現場代理人も実際にいます。

生粋の人たらしである

ごく稀にこういった方にも出会います。とにかく人に好かれる人。資格も持っている人もいればそうでない人もいますが、そもそもこういった人はどんな仕事をしていても周囲が協力してくれるので成功していくでしょう。

特殊案件で代替の人材がいない

コアな技術・知識を持っている人も資格があろうがなかろうが必要とされます。

ですが代わりが利かない人間というものも企業においては稀ですし、そういった方は一般人とはかけ離れた舞台で活躍されている印象です。

「同じ仕事」を「同じ会社」で続ける

入社してから定年まで、同じ仕事を同じ会社で続けていける場合も資格は不要または最低限で問題ありません。新しく覚えるものも無いですし、要は変化がありません。その仕事や会社が存在し続けることが前提です。

しかし果たしてこの前提条件は実現可能でしょうか?そして不要であるケースはレアケースであることは理解いただけたでしょうか?

資格が不要なケース

  • 経営層など、人を動かす立場にいる
  • 資格なしでも上手に仕事をこなせる実力がある
  • 資格とは関係なく、組織にとって重要な知見を持っている
  • 1つのことを同じ会社で一生涯続けられる確証がある

社会は変化し続けている

現代社会はめまぐるしい変化が常に起こっています。世の中や所属組織から求められるスキルも常に変化します。しかもレベルを上げて・・・。

ましてや人生100年時代と呼ばれ、定年退職という概念も徐々に無くなってきています。所属会社もいつまで存続しているのか分からない時代です。

ここで先ほど述べた「同じ仕事」「同じ会社で」という事について片方ずつ変えてみてください。

様々な仕事を「同じ会社」で続けていく

「同じ仕事」を違う会社で」続けていく

これだけで一気にハードルが上がると思いませんか?冒頭では仕事ができる=資格ではないと述べましたが、そもそも違う舞台に立つ必要が出てきた時点で越えないといけないハードルが出てきます。

そのハードルを乗り越えるために第三者を納得させられる客観的な事実(=資格)を提示することが重要になります。

社会人は常に競争です。それは社内であろうと社外であろうと同じで自分を他者と比較した時に客観的に優れていることをアピールすることが自分の望む選択肢を掴むコツとなります。

だから資格が必要

  • 同じ会社にいても様々な仕事を出来るようになるため
  • 同じ仕事を違う会社でも出来るようになるため
  • 違う会社で違う仕事が出来るようになるため
  • 自分の実力を客観的に第三者に見てもらえるようにするため

建設業もDXによって変わっていく

ましてや建設DXが叫ばれている昨今、BIMの発展や施工にまつわる様々なICT技術が誕生してきています。否応なしに変化の波が訪れているのを感じます。果たして今の施工管理の仕事のやり方はいつまで続くでしょうか?

働く環境はというものは変わり続けていくことを前提にしないといけません。施工管理で培う技術に何を掛け合わせて自分の武器とするか?取得する資格も厳選していかないといけません。

施工管理の経験×設計の知識

施工管理の経験×デジタルの知識

施工管理の経験×デザインの知識

何でも結構です。実務を通して自分の得意なものを見つけてみてください。キャリアを考える事と資格を取得することを同一線上で考える事が必要です。

身の回りの環境も変わっていく

高卒・大卒関わらず新卒で入社して10年後だとこんなワードが出てきませんか?

「結婚」「出産」「育児」「独立」・・・

むしろ会社よりもご自身の生活環境に方が変化は大きいかもれません。このように人生には様々なイベントがあります。そのイベントは人それぞれですが「今の仕事よりも大事なものは山ほどある」のです。

そういった大切なものを守るためにも様々は選択肢を取れる状態にしておくことを意識しましょう。ご自身の置かれた状況に応じた働き方を選択できるようにしておくのです。資格取得はそのための手段の一つです。

ですが普段から忙しい施工管理職でそんなことは・・・と思うかもしれません。が、逆にこう考えましょう。

「だからこそやった分だけ周囲との差はつけやすい」と。

そうすれば資格勉強のモチベーションも維持しやすいかと思います。

最後に

いかがでしたか?施工管理が資格を取得するべき理由について紹介してきました。

施工管理という職種はとても多忙かつ多彩な能力を求められ、さらにマルチタスクな仕事です。ここまで高いレベルのものを求められる職種はなかなかありません。

1人前になるほどに実力がつけば引く手数多でしょうが、それでもずっと同じ環境で仕事を続けられる保証などありません。社会も身の回りの環境も変わりつづけます。

だからこそ然るべき場面で自分の望む選択を取れるように準備しておくことが重要です。資格の取得はそのための大きな助力となることでしょう。

大袈裟かもしれませんが、資格について考えることは人生設計の一端であると言わせていただきます。