【現場代理人の労務管理②】全体コミュニケーション

施工管理業務

現場代理人が労務管理をする上で心がけておきたい事項について第2回目になります。

1回目は全体最適のための個人間コミュニケーションについて解説しました。今回は全個人から全体へ向けたコミュニケーションの取り方について解説していきます。

こんな人におすすめ
  • 設備の現場代理人に着任して歴の浅い人
  • 複数のメンバーを抱えて代理人をしている人
  • 腫れ物を扱うかのように若手の指導方法や教育方法に悩んでいる人
  • 現場は休めないものだと思い込んでいる人

全体会議を開く

個人間コミュニケーションをとったら次の段階で全体会議を開きましょう。
所内定例会議というやつです。

個人間コミュニケーションの前に開催したいという人もいるかと思いますが、ある程度個人のことを把握してからの方が采配しやすいのでこちらの方が後になります。

全体の場では言いにくいこともあるというのが人間ですので、先に全体で方針を決めてしまうと後になって「実は・・・」という事があるかもしれません。

言わない方が悪い、という意見も当然あるかと思います。
しかし何度も言うように昔と違って限られた人員で成果を出していくのが現在の仕事の進め方です。度を過ぎて甘やかす必要はありませんが、まずは意見を聞きやすくする土台を作ってあげましょう。

現場代理人の所信表明演説から

まず話あう内容としては現場代理人の所信表明演説と言いましょうか、何を課題にして現場を運営していくかを示していかなくてはいけません。会社規模でいうと経営計画のようなものです。

というのは何をその現場で達成しなければいけないのか、一番把握しているのは現場代理人です。そして課題というのは現場によって異なります。

例えば
予算に余裕のある現場なら(稀ですが・・・)多少金銭面のことは置いておいて品質重視で施工計画を考える。
その反対で、予算に余裕の無い現場であれば多少のリスクを負ってでも収支向上のための施工計画を考えるといった感じです。

上記2つの例をとっても着眼点は異なってきます。現場代理人が何をポイントにしているかというのを他のメンバーが共有することによってすれ違いを防止することに繋がるのです。

現場にとっての課題を共有する
  • 崖っぷちの現場で予算はいいからとにかく客先の信用重視。
  • 予算は潤沢であるので、新しい工法にチャレンジする。
  • NO.2が次回現場代理人になるための予行演習とする 。
  • 予算が無い現場で、とにかく失敗が許されない。手順や意思疎通重視。

このようにまずは大枠としての方針を示してあげてください。

チームとしての方針を決める

一方的に代理人の意見を押し付けるだけではチームとしてはまとまっていきません。
大枠の方針を達成していく中でそれらを実行していくのは現場代理人以外の他のメンバーです。

目標達成のために何が重要になるのか、1人1人が腹に落とし込まないと動きがちぐはぐになってしまいます。

そのため共通の認識として何を意識して実行するべきか?ということを話し合ってメンバー間で決めてもらう必要があるのです。

チームの方針
  • 連絡を密にして情報共有しやすくするよう施工管理アプリを活用する
  • それぞれの意見を尊重し、否定をせず相談しやすい環境づくりを心がける
  • 1人1人の担当業務で割り切らず、全員が自分事として受け止める

色々な考えがあると思いますが、それを最低限の共通ルールとして決めないと皆で同じ方向を向いて仕事をすることはできないでしょう。

なお初回は長期的な方針で結構ですが、現場の進捗に合わせて中期・短期的な方針も決めるようにしましょう。

定期的に仕事の配分や休暇予定を擦り合わせる

現場が稼働していると休みというのは取りにくい、言い出しにくいものです。
しかし、完全週休2日の雇用契約となっていても必ず土日に休めると言えるものではありません。それに平日に休みがあった方が都合が良い人もいるでしょう。

そのため最低でも月に1回、出来れば2週に1回くらいはそれぞれの仕事の負荷の状態と休暇予定を確認しましょう。

先に個人の都合によった休みの予定ありきでお互いにサポートする内容を擦り合わせるようにしてください。

メンバーの休暇予定は覆さない

検査や重要なイベントが控えている場合、どうしても休めないというケースはあるとは思います。

休みにくいパターンあるある
  • 周りから「休んでいる場合か?」と非難される
  • 仕事が溜まって休んでられない
  • 前日になってトラブルが発生した

特に周りを気にしてという状態は私の若い頃はよくありました。休みを言い出せないままデートの当日朝(祝日ですけどね・・・)になって仕事を休むことを言い出すこともありました。とても残念なやつに思われたでしょう。(でも休みって以前にいったじゃない・・・)

話を戻しますが、現場代理人とメンバーで決めた休暇予定は約束です。休みは休み。
そういう雰囲気になっても約束を反故にされるとメンバーの士気が一気に落ち込みます。
現場代理人に対して不信感がでて、その後の現場運営に支障をきたす場合もあります。

現場代理人は自分である程度調整できるはずですので、どうしてもというときは代理人が変わってあげる等していきましょう。

大事なことは現場代理人が早めに察知すること

仕事の進捗だったり、休みが取りにくいような状況に陥ったときに、現場代理人が早めに拾ってあげることが重要です。

個人の都合ももちろんですが、プロジェクトの目標達成のために目配りを行って早めに対処をするのは現場代理人の大事な仕事です。

人員の補充、バックアップオフィスへの依頼など問題が起こってから動くのではなく問題が起こりそうなタイミングを見越して次の手を打つようにしましょう。

現場代理人は手持ちの仕事を極力減らす

現場代理人はやらないといけないことは沢山ありますが、自分がいっぱいいっぱいなっていると周りが見えなくなってしまいます。

観察し、適切なフォローを入れることに徹するためにも極力他のメンバーに仕事を振ってください。

何もないときは真っ先に帰るくらいが次に現場代理人を目指す人にとっても目の保養になります。
現場代理人が何でも抱え込まないようにしましょう。

厳しいことも当然に伝える必要がある

ここまでの内容について、もしかしたら至れり尽くせりで甘いのではないか?と感じた方もいらっしゃると思います。

それはもちろんその通りです。

我々はあくまでお金をいただいて責任をもって仕事をしています。遊びやボランティアとは違います。

メンバーの権利を認める一方で義務の履行についても厳しく求めるのは当然です。そして義務の履行とは経過ではなく結果で判断されます。

ただし、結果に対してだけ権利が認められるというのも違います。「自分の仕事の責任を果たしてから休め!」というのは簡単ですが、義務は義務・権利は権利で分けて考えてあげてください。

最終的にしんがりをつとめるのは現場代理人の役目として、メンバーの権利は尊重してあげるようにしましょう。

ただし、そうやって守ってもらっているメンバーもいつかはしんがりを務める立場がやってきます。
そういったケースに備えてできる範囲で仕事優先になってもらうことも必要です。

そのためにも個人間コミュニケーションをよく取って、全体の中で仕事量の調整をしてあげるようにしましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか?
現場代理人の行う労務管理について2回に分けて解説してきました。どちらかというと中級者向けの内容になっているとは思いますが、1~2回現場代理人を務めてみた人は意識して実践していただけるとよいかと思います。

プロジェクトリーダーとしての立場と会社からの板挟みで大変になることが容易に想像できますが、出来る限り一緒に現場にいるメンバーを自分は大事にしていきたいです。

逆に色々汲んでくれる上司が上にいると多少の理不尽は目を瞑ってもいいかな?と考えるのが人間だと思います。(もちろんそれを強制するのは筋違いですが)

そうやってメンバー皆が気持ちよく働ける環境づくりというのも現場を効率よく回していくコツになりますので、視野を広く聞く耳をもって現場を進めていってみてください。