建設業の成り手が減っていることについて

日報(雑談)働き方

初めて配属された現場でのことです。

新規入場書類を書いてもらおうと、職人さんにペンを渡したのですが一向に書かない。

どうしたんですか?と聞くと申し訳なさそうな顔をして

「すみません、字が書けないんです」

今は令和ですが、当時でも平成の中期。そんな時世に日本人の方で字を書けない方がいらっしゃるとは思わず、驚愕しました。

今は変わってきていますが、建設業というのはブラックで法の及ばない部分が昔からありました。当時はまだその色は見られていたと思います。

そんな黒い部分が訳ありな方、他では働き口のないような方々のある意味セーフティーネット的な受け皿になっていたのだと思います。体一つあれば働けるんですから。

所謂やんちゃな若者もそういった流れで建設現場で揉まれ、洗練された大人になっていく。そういう時代が確かにありました。

今は社会保険制度の改善で建設業に携わる多くの会社は一定の負担をきちんと行うようになり、従業員の給料も社会保険の分を差し引いて支給するようになりました。当然これは社会としてはいい方向に向かっていますが、今まで保険分も含めて貰っていた側からすると給料が減ったとしか思えない人もいる。業界全体で給料が減っていく中でこの動きだったので、多くの若者から見ると昔に比べれば魅力はさらに下がることになったと思います。

ある職人さんが言ってました。今のやんちゃな若者たちは振り込め詐欺など方面に行ってしまうんだそうです。加えてUber Eatsのような新しい稼ぎ場も出てきました。しかしこれも社会保険制度としてはまだまだ未熟な働き口です。

職人さんに十分な報酬を出せていない現状にも憤りを感じていますが、甘い誘い文句で人を(実際は不安定に)働かせているおかげで、建設業に来てくれる人間も減ってしまっていると思います。

まだまだ甘い社会保障制度、法律を破る者、法を盾にもしくは法の穴をついて不安定な労働者を輩出する者、いつの時代も存在するのかもしれません。全ての人が平等な労働環境になった上に社会が構成されていくことを望みます。それで建設業に多くの若者が来てくれれば幸いですね。