【準備編】難関資格保有者がおすすめする資格試験の勉強法
建築設備の業種に限らず資格の勉強はとても労力を使います。なるべく効率よく進めたいですよね?
筆者は一般的に忙しいと言われている設備の施工管理という業種に身を置きながらでも多くの資格を取得してきました。(しかも現場代理人をしながらほぼ独学です。)1級建築士、建築設備士、1級管工事施工管理技士、エネルギー管理士…
ここでは複数の建築系資格を持つ筆者の経験から効率的な勉強方法について紹介します。
- 難関資格取得者がどのように勉強しているかを知りたい。
- 毎回試験前は徹夜でしんどく、効率よく勉強したい。
- 今年こそ絶対に試験に合格したい。
- これから多くの試験を受験するにあたってコツを掴みたい。
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目次
資格試験の勉強は工事を進める事と同じ
最初に多くの資格試験に合格してきた筆者が資格試験対策について結論から紹介します。筆者はいくつも受験しているうちに次のようなパターンに納まっていきました。
過去問を購入
↓
1年分の問題を解いてみる
↓
参考書を購入する
↓
スケジュールを立てる
↓
反復練習
↓
模擬試験
↓
試験前日
↓
試験当日
イメージしにくいでしょうか?そこで建設業に携わっている方に分かりやすいようにこの流れを工事に置き換えてみます。
工程 | 資格勉強 | 建築工事 |
---|---|---|
① | 過去問購入 | 設計図受領 |
② | 過去問1年分実施 | 設計図の読み込み・質疑応答書作成 |
③ | 参考書購入 | 仕様書購入・施工要領書作成 |
④ | スケジュール作成 | 工程表作成 |
⑤ | 反復練習 | 施工図作成・施工 |
⑥ | 模擬試験 | 完成検査 |
⑦ | 試験前日まで | 是正工事・書類まとめ |
⑧ | 試験当日 | 完成・引き渡し |
いかがでしょうか?これならイメージがつくのではないでしょうか?
資格試験の準備① 過去問を購入する
過去問を購入する場合の選び方は以下の事をポイントとします。
- 過去7年以上の問題があること(簡単な資格なら5年でもOK)
- 問題の出題傾向が記載してあること
- 問題と解答のページが分かれていること
- 自分の勉強環境に適した大きさであること
このように選びましょう。
1,2についてはまた後で解説します。
3については問題を解いている間に答えを見てしまう恐れがあるため。
4については例えば電車の中でも勉強したい人には単行本サイズ。机の上でしか開かないという人にはA4サイズでもいいでしょう。
資格試験の勉強において過去問は多くの時間を一緒に過ごす一番の相棒です。自分にとって一番ストレスのないものを選びましょう。
そしてもう1点、この時点では参考書は買わないでください。
資格試験の準備② 1年分の問題を解く
過去問を入手したらまず1年分の問題を解いてみます。先にも述べたように過去問は現場でいう所の設計図。現場に配属されたら設計図を読み込みますよね?そうすることで現場の難易度だったり全体像が見えてきます。
この時点では解説はさっと流す程度で良いです。結局資格試験は過去問をいかに繰り返すか、という事が重要です。詰まる部分があっても、「そういうものなのだ」くらいで結構です。他の問題をやっているうちに点と点が線で繋がってきます。
過去問にも当然解説が記載してありますが、良く分からない言い回しだったり、前提知識が省略されていたりして自分に足りない情報がいくつかあることが分かります。
これを解決するために参考書、ブログ、YOUTUBEなどで補完していきます。
まず解いてみてから何が足りない情報なのか?ということを探してみましょう。
- 1年分の過去問を解くのに必要な時間が把握できる。
- 過去問の解説では理解しきれないものがどの程度あるか把握できる。
- 先に過去問の解説をじっくり見ることで参考書と内容が重複するのを防ぐ
資格試験の準備③ 参考書を購入する
過去問を解いて不足している資料が何か分かったら参考書を買います。どんなに見やすい参考書を購入していても、参考書が要点を抑えていないと後でもう1冊買うような羽目になります。過去問を解いてみた時に把握した不足情報を補えるものを購入しましょう。
また参考書はどんどん書き込みをすることをおすすめします。勉強=ノートを作成する方法も悪いとは言わないのですが、やはり時間がかかってしまいます。すでに書いてある部分にアンダーラインを引く、足りない情報を書き込んで、参考書を自分のオリジナルノートとして作りあげていくと時間を節約できます。そのためある程度破れにくいものを選んでいただくのもポイントです。
- 過去問を補完する内容となっていること。(解説や出題傾向の情報)
- ある程度書き込みしやすく頑丈であること。
資格試験の準備④ 勉強スケジュールを作成
ここまできてツールを揃えた段階でようやくスケジュールを立てます。今ネットで検索すれば様々な資格に必要な勉強時間の参考値が載っています。(筆者の記事「設備施工管理が取得しておくべき資格7選 ~重要度と勉強時間の紹介~」でも紹介しています。)それらを参考にしても良いのですが、前提となる知識が異なっている場合があります。そのため自分独自の総勉強時間を算出してスケジュールを組む必要があるのです。
スケジュールの作成手順は1年分の過去問を解いた時の時間を把握しておけば、それを何年分・何回繰り返すかによって総勉強時間のおおよその検討をつけることができます。
- 総勉強時間の算出
- 平日に勉強できる時間の算出
- 休日に勉強できる時間の算出
- 試験日から逆算して割り当て
次はこれをもう少し細かく解説します。
総勉強時間の算出
ここからは具体的な数値を交えて解説します。1年間分の過去問を解く・解説を読むのに要した時間、過去問を反復する回数を考慮して計算します。
- 過去問1年分を解く時間:4時間
- 解説を読み込む時間:2時間
- 解く過去問の年数:5年分
- 過去問を反復する回数:5回
(4+2)×5×5=150 時間
もちろんこれは過去問の回数を重ねていくにつれて短くなっていくので予定立ての段階では多めに見ておいて間違いないです。
平日で1日に勉強できる時間はせいぜい30分
ここをきちんと設定できずに勉強を挫折する人が多すぎます。
ダイエットと同じで勉強も短期間では身に付きません。簡単な試験ならともかく、一朝一夕では何とかならないから難関資格なのです。
そのため勉強もダイエットもいかに習慣づけられるかが大事です。でも勉強に割ける時間なんて平日ならせいぜい30分、頑張っても1時間です。でもそれでいいのです。逆に平日1日当たりの勉強時間を多く設定してしまうと、もしできなかった時のリカバリーが大変です。
休日は4時間+平日のリカバリー
これは家族やプライベートとの兼ね合いもあるでしょう。それでも4時間程度は確保できると思います。。
この辺りは資格の難易度によって変わってきます。私は1級建築士の筆記試験は独学で受験しましたが、休日は10~12時間は少なくても机に向かっていたと思います。
また出来れば平日に遅れてしまった部分をここでリカバリーしておきましょう。
(あくまでリカバリーなので、平日は1分でもいいから机に向かいましょうね。)
何か月程度かかるか算出する。
ここまできたら例で算出した150時間を試験日から逆算して割り振ってみます。
1週間単位で土曜日も出勤だとして、
平日30分×6+休日4時間=7時間
になります。これを150時間から割って
150÷7=21.4(週)
おおよそ22週間=5か月強あれば大丈夫という事になります。条件を変えてみるとこのようになります。
平日の勉強時間 | 休日の勉強時間 | 必要な期間 |
---|---|---|
30分 | 4時間 | 22週 |
30分 | 6時間 | 17週 |
30分 | 8時間 | 14週 |
1時間 | 4時間 | 15週 |
1時間 | 6時間 | 13週 |
1時間 | 8時間 | 11週 |
ざっくりこのような期間勉強すれば良いことになります。
休みや旅行の予定も立てる
いかに習慣化したとはいえ毎日毎日勉強では息が詰まります。家族や友人も協力してくれているとはいえ不満も溜まっているでしょう。
そのため、月に最低1回は旅行に行くなど用事を入れ、勉強をあえてしない日を予定に入れておいてください。もし用事がなくなったら勉強すればいいだけですから。
総勉強時間算出で多めに出したのはここで休みの予定を入れるためです。現場で言うと社内検査など、自分の仕事にならないイベントが待っている、というような気持ちでいきましょう。
試験日から逆算して勉強スケジュールを割り当てる
参考書を見ると試験の内容も項目毎に分かれていると思います。その項目毎に分けてスケジュールを割り当てていきましょう。
ここでのポイントは試験日ギリギリまで勉強スケジュールを組まないことです。試験日の半月~一か月前あたりで一度勉強を終えるような配分にします。
最初に述べたように試験日=竣工引き渡しです。
1級管工事施工管理技士の勉強スケジュール例
1級管工事施工管理技士の場合でスケジュールを割り当てるとこのような形になりました。
- 最初は項目毎に過去問を解いていきます。
- 解説を読む時間もかかるので1週間かけてじっくり。
- 次の項目は休日に1日かけて。項目毎2順したらある程度まとめて。
- 月に1回は休みを入れる。
だいたい無理なくほどほどのペースでこんな感じです。後は実行しながら修正していきましょう。
いかがでしたか?難関資格をいくつも取得してきた私がお薦めする勉強法について前半部分を紹介してきました。思い立ってから勉強するまで、実に多くの工程が存在しています。計画よく進めるにあたり是非参考にして見てください。