施工管理に読んで欲しいビジネス書「プレイングマネジャーの教科書」

学習

建設現場は様々な業種が混在しており、各会社の担当者が各会社の立場に沿って動いています。そんな環境の中で設備工事の担当者に求められる能力の1つとして調整力が挙げられます。

調整するためにはいわゆる「コミュニケーション」が大事なのですが、今のご時世むしろ苦手という人の方が多いのではないでしょうか?

そんなコミュニケーションが苦手な方にも楽にコミュニケーションをとるために参考になるビジネス書を見つけましたので紹介します。

施工管理の事ではなくプレイングマネージャーを題材にした本なのですが、現場担当者にもかなり当てはまる部分があると思っています。特に現場代理人は会社と協力会社・ゼネコン・それに部下に対してそれぞれ違った接し方があり、まさに今回紹介する「プレイングマネージャー」にぴったり。

現場代理人でなくても大現場の次席や後輩を受け持った先輩社員でも同じようなことが当てはまると思います。ある程度の立場になった全ての施工管理の方々に読んで欲しい一冊です。

こんな人におすすめ

  • 建設現場で働いて、後輩を受け持つ立場
  • コミュニケーションが苦手だと思っている
  • 数字・現場管理・客先対応・多忙の4重苦で奮闘中

紹介したいポイントと現場との共通点

とはいえ事細かくは書けないのでWebでも立ち読みできる範囲の引用と簡単な感想を建築現場に置き換えながら紹介します。

最初にこの本を読んでいるうちに中間管理職であるプレイングマネージャーと現場代理人には多くの共通点があることに気が付きました。

現場代理人は中間管理職?

  • 部下を育てながら、自分の面倒も見る
  • 年上の人にも指示をし、フォローを行う
  • 多くの部門や協力企業をまとめながらプロジェクトを進行する
  • 職人さんと受注先との間で板挟み
  • マルチタスクでこなしつつ、業績目標を達成しないといけない
  • とにかく多忙

例えば現場事務所の中だけ見ても様々なタイプの人がいます。やる気のない部下や年上の部下、経歴の長い頑固な派遣さん・・・現場代理人の立場ならどうやってこの人たちを回していくでしょうか?

指導力やコミュニケーション能力・・・色々不安があると思います。しかし今回紹介している本ではそういったものは性格やメンタルな問題とも関係ない、仕事の結果を出すためのビジネススキルであると述べています。

誰でも身につけられ、他の業務と同様にタスク化して仕組み化してしまえばマスターするのにさほど時間はかからないとも述べており、どうも人付き合いが苦手・・・という私には眉唾ものでした。

カリスマリーダー的である必要はない

人をぐいぐい引っ張っていく優れたリーダーが部下の育成まで含めた優れたマネジメントを出来るとは限らない。

中間管理職(≒現場代理人)にとって、すべての部下が憧れるような天才的なスキルはむしろ邪魔。これからの時代に求められるのは一人の天才よりチーム(作業所)で成果を最大化できるためのマネジメント。

「指示」よりも「フォローが上手」で「聞く力がある」。コミュニケーション力はおとなしい草食系の方が身につけやすいと自信をもってほしいと述べています。

確かに現場に当てはめてもワンマンな大所長の下では付いてくる人たちの負担は大きいように思います。もちろんそうでなければこなせないようなプロジェクトもあるかもしれませんが、時代と共に少なくなってきているように思います。

「人付き合いのスキル」は不要

コミュニケーション=人付き合いが上手い人 と多くの方が思っているかと思いますが、実はそうではないとも述べています。

例えば挨拶から始まり部下やメンバーが自立して動いてもらうためにはどういったタイミングで声をかけるか?利害関係の反する他業者に納得して動いてもらうようにするには?

こういったことも業務思考型のコミュニケーションと割り切って他のタスクと同様に効率化・仕組み化のノウハウを活かして磨いていけるものだそうです。

声をかけるタイミングについて言えばスケジュールに入れてしまうなど、いつでも心をこめたコミュニケーションを行うためにビジネスライクな仕組みを作っておくという感覚。コミュニケーションは大事だからこそ思い付きや気まぐれで行うべきものではないという点には大いに共感します。

そのためにはまず本人が余裕をもった仕事の進め方が必要ですね。現場は準備が不足しているとすぐに悪循環に陥りがちですが、好循環で進めていくためにも早期の検討・方針決定が重要になってきます。

クセモノ&苦手な人対策や使えるフレーズ

とはいえそれでも全く通じない相手もいるわけで、私もどうしても苦手な人に対しては後回しにしてさらに状況が悪化・・・という経験はよくしてきました。

そんな時にとったらよい行動や日頃から良質なコミュニケーションをとるために使えるフレーズを筆者の視点でまとめています。建設現場は一般のビジネスマンと比較にならない程多種多様な人たちがいますから、ご自身の状況に当てはめ、腹落ちさせて使ってみてください。

最後に

ここまで簡単な紹介と感想を書いてみました。具体的なところは実際に本を購入して読んでみてください。

この本は出版されたのが2010年なのですが、未だに書店のビジネス書コーナーに並ぶ良書という評価を受けているようです。そのためAmazonや楽天でも中古で安く販売しています。お気軽に手に取ってみてください。

今回この本を読んだことで今後ブログの方でも、現場コミュニケーションに関する記事を書いてみようかな?という気にもなりました。また読み込んで発信していきたいと思います。

学習

Posted by 設備監督