現場の品質管理を見える化する(その1) ~指示の見える化と5W1H~

品質管理見える化

現場代理人は多忙です。何でも自分で作業をするわけにはいきません。しかしメンバーに指示したけれどなかなか思った通りに動いてくれないといった経験はないでしょうか?それを相手のせいにしていませんか?違いますよね?思った成果が上がってこないのは

あなたの指示の仕方が悪いのです。

良い指示(=具体的な指示)とするためには5W1Hを明確にしないといけません。

ここでは現場における5W1Hの重要性とその具体例、指示の見える化をして効率よく仕事を回すということを紹介していきます。

こんな人にオススメ

  • 現場代理人になったが忙しすぎて業務が回らない
  • メンバーに頼んでも望んだ成果が上がってこない
  • 口頭で指示する時間がない、あるいは面倒
  • 代理人から指示をもらっても具体的にイメージが湧かない

代理人だけで全てを確認するのは不可能

設備施工管理の現場代理人は常に忙しく一般的には激務。仕事の量が尋常ではない。

現場代理人になりました。品質管理、安全管理、受注先との折衝、定例への出席、現場責任者としてやるべき仕事は山のようにあります。

他のメンバーにあれこれやってもらうにも伝わっていないのか、満足する成果にならない。そして自分で全部をやるはめに・・・

これではいつまでたっても残業続き・・・定時退社どころか日を跨いで仕事をすることもあるでしょう。

しかし考え方を変えてみませんか?そもそも

現場代理人が全てを正確に把握することなど不可能

だということを認識しましょう。そして最低限の確認だけで現場を進める方向にシフトしないといけません。

具体的に伝える内容【5W1H】

現場では5W1Hを用いて指示を見える化し、効率的に品質管理を行う事が重要。

指示した内容が十分に伝わっていない気がする。そんな方は振り返ってみてください。その指示は次のポイントは押さえていますか?

抑えるべき指示のポイント

  • いつ(When)
  • 誰が(Who)
  • 何を(What)
  • どの場所について(Where)
  • なぜ(Why)
  • どの程度・どうやって(How)

所謂”5W1H”というものです。これらを具体的に理解してもらう必要があります。

1つでも欠けているとメンバーに完成形をイメージさせることは出来ません。

=指示が曖昧ということになります。

例:工事写真の撮影を指示

工事写真の撮影をメンバーに指示したとします。5W1Hが1つ欠けた状態で伝わったとします。

1.いつ(When) が分かっていないと機会を逃します。

あそこの写真撮った?

あっ💦取り逃してしまいました💦

2.誰が(Who) が分かっていないと人任せになります。

あそこの写真撮った?

えっ💦自分の役割だったんですか?撮っていません💦

3.何を(What) が分かっていないと撮るものを間違えます。

写真撮ってきました!

あぁ、これだけじゃなくてもう1つの継手も撮ってきて欲しかった💦

4.どの場所について(Where) が分かっていないと必要な場所を逃します。

写真撮ってきました!

あぁ、専有部だけじゃなくて共用部も撮ってきて欲しかった💦

5.なぜ(Why) が分かっていないと的を射ない写真になります

写真撮ってきました!

おしい、大事な所が見切れている💦

6.どの程度(How) が分かっていないと抜き取り率が不足します。

写真撮ってきました!

これだけ?あと2,3パターン撮って欲しかった💦

7.どうやって(How) が分かっていないと時間がかかります。

写真撮りに行ってきます!

…(あの子、いつになったら帰ってくるのだろう?)

さあ、どれも身に覚えがあるのではないでしょうか?

5W1Hを伝える

5W1Hを用いて現場の品質管理を見える化するポイント。 

具体例を挙げたところで問題はいかにこれを伝えるか、です。そのポイントは以下にまとめました。

5W1H説明内容目的
Why現在の状況・業務の目的前提条件の擦り合わせ
What完成品や参考資料でイメージさせるゴールの明確化
Where,Howどの部分、どの程度の説明適用範囲の明確化
Who担当者の説明役割区分の明確化
When時期の説明時期の明確化
How必要なツールと使い方手法の明確化

伝達内容を見える化する

「現場での伝達は難しい」の説明写真。コミュニケーションミスが多発。指示を見える化して品質管理する必要あり。

上記の内容は口頭だけで伝えることはできるでしょうか?できる能力を持っている方もいらっしゃいますが、多くの人にとっては難しいと思います。そういった場合は、伝えるべきことを一度資料としてまとめてみましょう。

このことを見える化といいます

5W1Hに基づいて見える化をすることによって伝達したい内容がまとまり、それをアレンジすればそのまま指示書として活用することができるようになります。

これが広範囲のものに発展していったものがとマニュアルですね。

そういったものに沿って口頭説明と合わせて業務を進めていくことで、コミュニケーションミスを少なく、現場運営を行っていくことができます。

現場に合わせた業務指示や簡易マニュアルをまとめるのも現場代理人の立派なマネジメント業務です。

見える化の利点

  • 指示、伝達が具体的になる。
  • コミュニケーションミスが減る。
  • 誰がやってもおおよそ同じレベルで管理ができる。

それでも100%伝えるのは不可能

しかしどんなテクニカルな手段を用いても受け手に100%伝える事は不可能です。

ここを前提にしてください。指示する側は受け手に合わせて伝え方を工夫することを意識しましょう。

伝え方で意識すること

  • 途中で理解度の確認をする
  • 理解度によって伝える情報量を調整する
  • 早い段階で手を動かしてもらい、軌道修正を行う

いかにツールが良くても伝え方が悪いと元も子もないですからね。

いかがでしたか?品質管理の見える化の重要性について、具体例を用いながら述べてみました。5W1H を意識することでコミュニケーションミスを減らして現場の品質確認に生かしていきましょう。